シルトの大きさ

粘土と砂の中間ぐらいのものをシルトと言いますね
でも,具体的にどれくらいの大きさかを説明するのは難しいものです

 

まず,岩石が壊れてできた「砕屑物」を,
地質学ではその粒径にしたがって以下のように分類しています

ウェントウォース粒度区分による分類

礫   (256mm以上(巨礫) 
  256 - 64 mm(大礫)
  64 - 4 mm(中礫)
  4 - 2 mm(細礫))
砂  (2 – 1 mm(極粗粒砂)
  1 - 0.5(1/2)mm(粗粒砂)
  0.5(1/2) - 0.25(1/4)mm(中粒砂)
  0.25(1/4) - 0.125(1/8)mm(細粒砂)
  0.125(1/8) - 0.063(1/16)mm(極細粒砂))
シルト (0.063(1/16) - 0.032(1/32)mm(粗粒シルト)
  0.032(1/32) - 0.016(1/64)mm(中粒シルト)
  0.016(1/64) - 0.008(1/128)mm(細粒シルト)
  0.008(1/128) - 0.004(1/256)mm(極細粒シルト))
粘土 (0.004mm以下)

(礫と砂の粒径2mmとする境は4mmに設定されることもあります)

砕屑物 - Wikipedia

 

上記のwikiにもあるように,土壌学では同じ物を「国際土壌学会法」にしたがって,
以下のように分類することが多いですね

礫  (2mm以上)
粗砂  (2 – 0.2mm)
細砂 (0.2 – 0.02mm)
シルト (0.02 – 0.002mm)
粘土  (0.002mm未満)

しかし,日本では1926年(大正15年)に定められた「農学会法」による粒度区分を 
使う人もまだいて,それにしたがうと,以下のように分類されます 

(2mm以上)
粗砂 (2 - 0.25mm)
細砂  (0.25 – 0.05mm)
シルト (0.05 – 0.01mm)
粘土  (0.01mm未満)

『土と微生物と肥料のはたらき (農学基礎セミナー) 』山根 一郎 (著) .農山漁村文化協会 (1988/06)) 


土質工学の分野では,

日本工業規格にしたがえば,

礫分   (2.0mm以上)
砂分   (2.0 - 0.25 mm(粗砂)
      (0.25 – 0.05 mm(細砂))
シルト分 (0.05 – 0.005 mm)
粘土分 (0.005 mm以下)(0.001mm以下コロイド分)

地盤工学会基準にしたがえば,

石  (>300 mm(ボルダー)
     (300 – 75 mm(コブル))
礫   (75 – 19 mm(粗礫))
     (19 – 4.75 mm(中礫))
     (4.75 – 2 mm(細礫))
砂   (2 – 0.85 mm(粗砂))
     (0.85 – 0.25 mm(中砂))
     (0.25 – 0.075 mm(細砂))
シルト (0.075 – 0.005 mm)
粘土  (0.005> mm)

と分類されます (『土質工学をかじる—建設技術者の常識としての土質力学』平井利一著.(理工図書刊,2001/10/15))

 

さらに,建築学では以下のように分類するようです

れき分  (75 - 2 mm)
砂分  (2 - 0.074mm)
シルト分 (0.074 – 0.005mm)
粘土分  (0.005mm以下)

>建築用語小辞典

 

まとめると

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要するに,同じ「シルト」と言っても,
「0.063(1/16) -  0.004(1/256)mm」だったり,
「0.02 - 0.002mm」だったり,
「0.05 - 0.01mm」だったり,
「0.05 - 0.005 mm」だったり,
「0.075 - 0.005 mm」だったり,
「0.074 - 0.005mm」だったりで,
その粒径の範囲は分ける人によって様々だということです
分野の違う人と話す時は注意が必要ですね

そもそも「砂とシルト」や「シルトと粘土」の違いは連続的なものなので,
便宜的な基準で分けるしかないのですから